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戦国鬼譚 惨 (講談社文庫) 伊東 潤 読みました

戦国鬼譚 惨 (講談社文庫)

戦国鬼譚 惨 (講談社文庫)

 久しぶりの歴史小説、、。

 武田家滅亡を前に、武田家配下の武将たちを主役にした連作集です。うおー!戦に勝ったー!という爽快な話はないです。大勢力に翻弄される小大名の悲哀を描いています。
 特に最初の木曽義昌の話が、、。義昌は、武田に妻子を人質にとられてます。だから武田に殉じると決意する。義昌の弟は、民を戦火から救うため、織田に降るべきと説得する。自分の妻子のために多くの民を犠牲にするのかと。義昌は、おまえは俺と違って妻子を人質にとられてない、俺だって妻や子供を守りたい。お前が羨ましい。どうすればいいんだ!と、弟に感情をたたきつける。さて、それを聞いた弟はどうするのか、、。そんなお話でした。嫌な予感しかしないですが、その予感どおりのラストです。英雄譚もいいですが、こういう話も良いですね。