塀内夏子「勝利の朝」 冤罪に立ち向かった少年と弁護士たちの物語

勝利の朝 (小学館文庫)

勝利の朝 (小学館文庫)

あらすじ

 昭和の終わり頃に起きた強盗殺人事件。警察は無実の少年を過酷に取り調べて自白に追い込む。絶望し、有罪でいいと全てを投げ出す少年。しかし弁護士に励まされて自白を撤回「僕はやっていません!」。弁護士と少年の戦いがはじまった・・・「勝利の朝」他一編収録。

冤罪がつくられる過程

 これは実際あった事件をベースにしているらしいですが、冤罪が作られていく過程ってこういうものだなと、今更ながら実感しましたね。 

 「やってないならやったと言わなければいいじゃん」と思うかもしれません。でも、長い時間取り調べられたり、脅しすかされたりして、いろいろ限界になると、「もう楽になりたい」という一心で「やりました」って言っちゃうものなのです。

弁護人(弁護士)の果たす役割

 そして、少年に限らず刑事の被疑者(被告人)は弱いです。これは人として弱いというわけではなく、立場的に弱いということです。相手は警察、検察といった巨大な専門家組織。対して被告人は単なる一人の一般人。そのままでは対抗できるわけないです。だからこそ、被疑者(被告人)に弁護人(弁護士)がつく必要があるのですね。弁護人が援助することで、被疑者の防御力を補助する、と。


 詳しくはこの本を読んで欲しいのですが。この漫画は、そういった補助者たる弁護人の役割を余すところなく描いています。


 いろいろ書きましたが、漫画的にも面白いのです。少年が否認に転じた後も、警察は有罪にしようとあの手この手を使うんですよね。警察の手に弁護士側はどう対抗するの?下手すりゃ少年有罪になってしまうよ!って感じで、読んでて手に汗握ります。


 ・・・・というわけで、オススメです!