で、一気に読み終えましたけど、素晴らしかったです。文章が重厚で、籠城中の合戦などの描写もしっかりしていたのが良かったです。「歴史小説の皮をかぶったミステリ・・ではなく、本気で歴史小説を描こうとしている!」と感動しました。あと、形勢が不利になるにつれ苦悩する村重も良かったです。自分が歴史小説を好きなのは、「荒木村重は謀反を起こして有岡城に籠城して云々」という歴史的事実があるとして、その背景になにがあったのか、渦中の人物は何を考えていたか、その作者の解釈を読みたいからなんですよね。その解釈が面白く説得力あればなおよし。で、この小説はもちろん合格点でした。
ミステリ部分はもちろんよし。死亡推定時刻とか指紋捜査も無い状況での推理。限られた物証からどう割り出すか。なかなか面白かったです。
最後もよかったです。感動しましたよ。これは史実を知らないまま読んだ方が楽しめますね。
これは、米澤先生、このミス1位きましたよ。