「経済政策で人は死ぬか」

 副題「公衆衛生学から見た不況対策」
 ・・というわけで、経済危機に陥ったときに、医療費や公衆衛生予算を削減して対応した国、構わず支出を維持・増加させた国。それでどうなったかを各種データをもとに論じた本です。ちょっと前に話題になりましたので今更かもしれません。

 削減した国は、大体こういう結果です。→医療費を高くする→市民が予防的に早めに病院にかかることを躊躇。結果、多くの人が重症化してから病院にかかるようになる。/公衆衛生費を削減する→公衆衛生が不十分に→感染病が蔓延。 ・・・・つまり、目先の費用削減のために、多くの市民の生命身体を害し、治療等により多くの費用を要するようになったと。あまりに不合理!

 結論的には、「緊縮と民営化」が正義ではない・目の前の100円を出すことをけちって1000円損するようなことをするな、ということ。

 住宅政策にも項を割いていました。住宅を失い車上生活・路上生活になると健康は大きく損なわれる。それどころか、家を失うそうになるだけで健康を害するようになる、と。そのため、積極的な住宅供給政策を採った国では良い結果が出ていた、ということです。 

 と、一般的な感想は以上ですが。なんか、既視感を覚える記述が多かったですよ。あ、これ日本でもやっている、これからやろうとしていることなのでは、みたいな。

 例えば、イギリス政府は2010年に公共サービス支出を大幅削減する方針を打ち出して、障碍者手当も削減しようとしました。その手当削減について、当時の首相は、「何十万人もの人が不正受給している」と主張して正当化したとのことです。ただ、政府の担当部局は、資格を偽っての不正受給は不正受給総額の1%にもならないレベルと見積もっていました。これはかなり既視感あるやりとり、、。

 ギリシャアイスランドの対比もなかなか辛いというか。ギリシャは国民に「大丈夫大丈夫」と言いながらIMFの緊縮策を実行して大変な目に遭いますが。アイスランドは、国民の抗議デモ等の働きかけと国民投票IMFの緊縮政策にNOと回答したと。コロナで痛感していますが政治はリアルに人の生き死にを左右する、、。だからこそ、政府政党をきちんと見て、考え動いていかないといけない、と思いました。しんどいですけどね、、。